前進
中学入試は1月に終わり、発表まで心が休まることはなかった塾生、大丈夫と思いつつ不安が心のどこかにあった塾生、きっと無理だろうと思っていた塾生・・・様々だった様です。結果は、予想通り、1名のみ苦汁をなめることになりましたが、覚悟していたようです。もう少し真剣に取り組んでいたらという自らの反省を今後に活かしてくれると信じます。他の塾生たちは全員、合格通知に、感激と大きな安心感に包まれた様です。中には5校を受験して全て合格した塾生もいましたが、真面目な努力は必ず実ることの証明でした。
いい加減に取り組むといい加減な結果になり、甘く見ると油断して真剣になれず、油断すると指示されたやるべきことに素直に取り組めず、学業以外のことに心を奪われると教材を開き机に向かっていても知識は増えず、今日でなくてもと考えることを繰り返すと受験に間に合わなくなり、『その結果』は自分自身が受け取ることになりますが、一方、甘く考えず、真剣に取り組み続け、今日のことは今日中にやり、素直にやるべきことに真面目に取り組み続け、自分の弱点箇所を知って弱点箇所を得意箇所に変えようと考え、目標を常に意識し、一心になって〔心に余計なものを入れない様にして〕やるべきことに全力を注ぐ学生は、大きな感激、感動、大安心の結果を得る様です。
受験生たちは、受験に向かう日々から、人生の様々なことを学んでいる様です。・・・人生にはうまくいくこともあり、上手くいかないこともある。自分自身の考え方や感情、物事に対する受け取り方や行動のしかた、それらが原因となって、結果を創っていくことを、また、上手くいかなかった場合は、新たな目標を持ち、希望を持ち、物事を良い方に考えて努力することで、人生が明るい方向に進むことを、目標が達成できなかったときは、その結果が自分に何かを教えてくれていること・・・等を学んでいる様です。一時的に希望通りにいったことや、一時的に希望通りにいかなかったことが、今後の人生にどのように作用するかは、今後の自分次第であることをに学んでいく様です。この学びは、私たち大人も当てはまり、私自身も、日々の仕事や日常生活の中から学ぶことが多く、保護者の方々との面談でも、保護者の方々からも同様の言葉をよく耳にします。
古い話で、明確には覚えていませんが、かつて学生時代に読んだ、日本を代表する画家、林武画伯の著書、『美に生きる』が思い出されます。彼の著書には、『丸い円が人の理想とすれば、人には欠けている部分があり、その欠けを修正し、欠けをなくしていく過程、欠けた部分を埋めていき丸い円を創る過程が人生である。自分は絵描きであるので、自分にとっては絵を描くことは生きることであり、生きることは即ち描くことで、生きる過程で自分の欠けた部分を徐々に満たしていき、丸い円に近づけていく努力をするのだ。』という内容のことが書かれていた様に思われます。彼は毎日毎日、1日中、一心に描き続けていたそうで、厳しく自分を見つめ、決してあきらめない真摯な努力が、彼が日本を代表する画家になる道を拓いたのではないかと思われます。人生の先輩たちから多くのことを学ばせて頂き、自分を見つめ直すきっかけを頂けることは、本当に有難いことと感じます。